子無し引きこもり主婦の「ひきこもりこ」です。
少し前になりますが、「子供がいなくて義実家に帰って話すことあるの?」と聞かれたことがあります。
それは意地悪で言ったんじゃなくて普通に疑問に思ったみたいです。
その頃はまだ新婚だったし、子供ができる可能性を持っていたので流せたのかもしれません。
今ならどうか。
少し前の自分だったら「なんでそんなこと言うの?あの人意地悪!あえて私を嫌な気持ちにさせたくて言ったに違いない!」と怒り心頭で、でも何もいえなくて家に帰ってさめざめと泣いていたかもしれません。
でも今は少しだけたくましくなったようで傷つけられる前に自分を下げつつオープンにこう言います。
「義実家に帰るの苦手なんだよね、子供がいないと話すことなくて。」
このセリフ一言で「あら、可哀想、分かるわその気持ち。でもうちは子供いるから良かった。」
そんな風に思われるようでマウンティングされることなく会話を終われます。
弱い部分を私にはさらけ出してくれるという友達意識や縮まった距離感を感じてくれるようです。
でも実際、義実家に帰ることは本当に苦痛です。
そんな時どうするか…
義実家に帰るだけならまだ大丈夫なんですが、お正月は親戚一同が集まります。
その中には若いファミリーが複数含まれます。
赤ちゃんも複数含まれます。
私達より後に結婚し、後に親戚になった若い子たちが子供が生まれたことで距離感がグッと縮まり仲の良い親戚になっていたりします。
私にとって義実家はまだ遠い親戚なのに。
会話は赤ちゃんメインになり、私にはまったく分からず、ついていけません。
例えば保育園で流行りの病気、予防接種、ベビーカーベビー服の話。
無理してついていこうとすれば痛々しいし、会話に入らなければ無愛想になる。
私は適度に相槌をうちながらニコニコして出された料理を美味しい美味しいと苦しくなっても食べ続けるだけです。
お義母さん、ごめんね、私は子供が産めなくて、私にできるのは出されたお料理を残さず美味しそうに食べるだけです。
そんな気持ちです。
赤ちゃんを抱かされた主人は嬉しそうな顔をしたりしています。
赤ちゃんを抱かされた私は眩しすぎて目まいがしそうになります。
そして、ああ、ここには私の居場所はない。
毎回毎回そう思わされるのです。
親戚の若者ファミリーはまだ若いのでまだまだ子供を作るでしょう。
私はまだまだ何年もその思いを繰り返すんだろうな。
頑張れ、私。
義実家攻略RPGゲーム
話は少しそれますが、私はこの状況をRPGのゲームのようにイメージすることがあります。
敵地、義実家に乗り込む時をどう攻略するか。
私にはアイテムがほとんどありません。
でも他から乗り込んでくる人は最強のアイテム赤ちゃんを連れてきます。
このアイテムは最強。
これさえあれば会話が弾むだけでなく、お茶汲みもお皿洗いも免除されます。
ずっと座ってパワーを充電しておけます。
一方で私は丸腰、ノーアイテム。
もともと備わったただ同然で使い物にならないアイテム、笑顔や愛嬌だけで闘いに挑みます。
エネルギーを無駄に消費し、すぐにパワー不足になります。
そしてこのゲームの1番難しいところは明らかな敵がいません。
ボケた義祖父、嫌味な義母、気難しい義父、小賢しい義姉、馬鹿なだけの甥、子供ができないのかと詰め寄る叔母、目も合わせてくれないご近所さんなどなどそんな人は全く登場しません。
そんな状況の中でも思いもよらない所から降ってくる言葉の武器をあの手この手でよけますがあちこち血まみれ。瀕死の状況。
八方に気を張り巡らせているため傷を治すために休むこともできず、逃げる所も義実家にはありません。
唯一の味方、主人はミイラとりがミイラになった感じで笑顔で実家でリラックスし、もう頼りにはできません。
ここはタイムオーバーを待つしかない、負けることこそが生きる道、
もはや目指すゴールは見えません…。
リセットボタンを押すことのみがこのゲームが終わる道なのか⁈
そんなゲームです。
少し強くなった今思うこと
そんな子なし悲壮な義実家攻略ゲームですが、悲しいと思うばかりではありません。
ノーアイテム、丸腰で傷だらけになりながらも諦めることなく挑み続け闘い続ける私は潔くカッコいいなとも思えるようになりました。
義実家を後にした時にまた泣くかもしれません。
でもきっとまた時間が経てば大丈夫。
だから今年も負けないで私。
だから、どうか子供のいない貴女も負けないでください。
見えなくても闘っている仲間は沢山います。
この年末年始も子供のいない私たち子なし夫婦が無事に帰省を乗り切れますように。